「健診で血糖値が高めと言われたけれど、病院へ行くほどではない気がする……」
「甘いものや麺類を控えれば、とりあえず大丈夫?」
健診結果を見ながら、このように迷っていませんか?
血糖値が高くても、初期には自覚症状がほとんどないことがあります。
痛くもかゆくもないので、結果票を引き出しへしまい、そのまま静かに忘れたくなる気持ちも分かります😅
ただし、結果票を寝かせても、数値がいい具合に熟成してくれるわけではありません。
健診で血糖値やHbA1cの異常を指摘されたときは、食事だけで自己流の対策を始めるのではなく、結果を確認して、必要に応じて再検査や医療機関の受診につなげることが大切です。
この記事では、42歳の薬剤師である私が、健診で血糖値が高めと言われたときの対応と、食事・運動・飲酒などの見直し方をQ&A形式で解説します😊
🔑 先に結論|結果票は「体から届いた付箋」です
- 血糖値が高めでも、自覚症状がない場合がある
- 1回の健診結果だけで糖尿病と決まるわけではない
- 「要受診」「要精密検査」などの指示があれば放置しない
- 食後の眠気だけで血糖値スパイクとは判断できない
- 極端な糖質制限より、食事・運動・飲酒・睡眠を見直す
- 強い口渇や体重減少などがある場合は早めに受診する
健診結果は生活態度の通知表ではありません。病気の有無を確認し、これからの生活を考えるための情報として利用しましょう。
健診で確認される血糖値とHbA1cとは?

健診では、血糖の状態を確認するために、主に血糖値やHbA1cが測定されます。
| 検査項目 | 主に分かること | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 空腹時血糖 | 空腹時の血液中のブドウ糖濃度 | 食事をしていない状態で測定したか |
| 随時血糖 | 食事時間を限定せず測定した血糖値 | 最後に食べた時間や食事内容 |
| HbA1c | 過去1~2か月程度の血糖状態を反映する指標 | 貧血などの影響を受ける場合がある |
血糖値は、食事、運動、体調、睡眠、ストレス、服用している薬などの影響を受けることがあります。
一方、HbA1cは血糖値より長い期間の状態を確認するために利用されますが、HbA1cだけですべてを判断できるわけではありません。
健診機関によって判定区分が異なる場合もあるため、まずは結果票に記載された「要受診」「要精密検査」「要再検査」「生活習慣の改善」などの指示を確認しましょう。
最初にすることは「甘いもの禁止」ではありません

血糖値が高いと分かると、突然お菓子を処分したり、ご飯を食卓から追放したりしたくなるかもしれません。
しかし、最初にしたいことは、食べ物との決別ではなく検査結果の整理です。
- 空腹時血糖・随時血糖・HbA1cの数値を確認する
- 結果票の判定と医療機関への受診指示を確認する
- 過去の健診結果と比べて変化を見る
- 服用中の薬や健康食品を整理する
- 受診するときは結果票とお薬手帳を持参する
1回の健診結果だけで糖尿病と診断されるとは限りません。
だからといって、自己判断で「たまたまだろう」と片づけるのもおすすめできません。
数値が高かった理由を確認するために受診すると考えると、少し気持ちが軽くなりますよ😊
Q1. 自覚症状がなくても受診したほうがいい?

A. 結果票で受診を勧められた場合は、症状がなくても相談しましょう
血糖値が高い状態でも、初期には目立った症状が現れないことがあります。
高血糖の状態が続くと、神経、目、腎臓、血管などへ影響する可能性があります。
また、高血圧、脂質異常症、喫煙、内臓脂肪の蓄積などが重なると、心臓や血管の病気のリスクにも関係します。
「症状がないから大丈夫」ではなく、症状がない段階で確認できたことを、早めに対応するチャンスと考えましょう。
特に「要受診」「要精密検査」と記載されている場合は、食事だけで様子を見ず、医療機関へ相談してください。
👉 参考:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン」
Q2. すぐに医療機関へ相談したい症状は?

次のような症状がある場合は、次の健診まで待たず、早めに医療機関へ相談してください。
- のどが異常に渇く
- 水分を多く飲み、尿の回数や量が増えた
- 食べているのに体重が減り続ける
- 強いだるさが続く
- 吐き気や嘔吐、腹痛がある
- 意識がもうろうとする
症状が強い場合や、急に悪化した場合は、通常の診療時間を待たずに救急相談などを利用してください。
Q3. 昼食後の眠気は血糖値スパイクですか?

A. 眠気だけから血糖値の変動を判断することはできません
食後の眠気には、食事量や食事内容だけでなく、睡眠不足、疲労、飲酒、服用している薬、睡眠時無呼吸など、さまざまな原因が考えられます。
丼、麺、菓子パンなどを短時間で多く食べたあとに眠くなったとしても、眠気だけで「血糖値スパイクが起きた」と診断することはできません。
強い眠気を繰り返す場合や、仕事・運転へ影響する場合は、医療機関へ相談しましょう。
食事面では、次のような工夫があります。
- 昼食を抜いて強い空腹を作らない
- 丼や麺だけで済ませず、肉・魚・卵・大豆製品などを加える
- 野菜、きのこ、海藻なども組み合わせる
- 急いでかき込まず、落ち着いて食べる
- 食後に無理のない範囲で体を動かす
血糖値を上げにくい食事の組み立て方はこちらで詳しく解説しています。
Q4. 更年期から血糖値が高くなった気がします

A. ホルモンだけでなく、筋肉量や活動量なども確認しましょう
更年期前後は、女性ホルモンの変化に加え、加齢、筋肉量、活動量、睡眠、ストレスなどが重なり、体重や脂肪のつき方が変わることがあります。
ただし、血糖値が高くなった原因を「更年期だから」と決めつけることはできません。
健診結果で異常を指摘された場合は、必要な検査を受けたうえで、次のような生活習慣を無理なく取り入れましょう。
- 食事を極端に減らさない
- 肉・魚・卵・大豆製品などを組み合わせる
- 座り続ける時間を減らす
- ウォーキングと筋力トレーニングを組み合わせる
- 睡眠時間と生活リズムを確認する
筋肉は血糖を利用する組織の一つです。
とはいえ、立派なトレーニングウェアを買うところから始めなくても大丈夫です。まずは買い物、掃除、階段、散歩など、日常生活の中で動く時間を増やしてみましょう🌿
Q5. 運動する時間がありません

A. まとまった運動だけでなく、短い身体活動も積み重ねましょう
運動は、長時間まとめて行わなければ意味がないわけではありません。
体調に問題がなければ、次のような方法から始められます。
- 食後に少し歩く
- 座り続ける時間をこまめに中断する
- エレベーターではなく階段を利用する
- テレビを見ながら椅子から立ち座りする
- 買い物や掃除を体を動かす機会にする
椅子の立ち座り運動を行う場合は、安定した椅子を使用し、痛みやふらつきがない範囲で行いましょう。
「10回すれば必ず血糖値が下がる」というものではありませんが、短い運動でも続けることで、身体活動量を増やせます。
心臓病、関節の病気、糖尿病の合併症などがある方は、運動を始める前に医師へ相談してください。
👉 参考:厚生労働省「身体活動・運動」
Q6. 甘いものや甘い飲み物がやめられません

A. いきなり完全禁止にせず、回数と量を見える化しましょう
甘いものを完全に禁止すると、かえって反動で食べすぎる人もいます。
最初に、次の点を確認してみましょう。
- 1日に何回食べたり飲んだりしているか
- 空腹で摂っているか、習慣で手を伸ばしているか
- 飲料のペットボトルや缶の容量
- 栄養成分表示の炭水化物・糖類・エネルギー
甘い飲み物は噛まずに摂れるため、量が増えても気づきにくいのが少々やっかいなところです。
まずは1本のサイズを小さくする、毎日から隔日にする、水や無糖のお茶へ置き換えるなど、一段ずつ調整してみましょう。
ゼロカロリー飲料へ置き換えることで、砂糖やエネルギーの摂取を減らせる場合もあります。ただし、「ゼロだから無制限」にはせず、水や無糖のお茶も取り入れてください。
糖類ゼロと糖質ゼロの違いはこちらで解説しています。
Q7. お酒はどのように減らせばいい?

A. 種類だけでなく、純アルコール量と飲む頻度を確認しましょう
飲酒は、血糖値だけでなく、肝臓、中性脂肪、血圧、睡眠、食欲などにも影響します。
「糖質ゼロのお酒なら大丈夫」とは限りません。糖質が少なくても、アルコール自体にエネルギーがあり、飲酒量が増えれば健康への影響も大きくなります。
減らしたい場合は、次の方法を試してみましょう。
- 飲む前に、その日の量を決める
- 小さいグラスや缶を選ぶ
- 水や無糖炭酸水を一緒に飲む
- 飲まない日を設ける
- 買い置きする量を減らす
- 空腹のまま飲み始めない
お酒は「意志が弱いから減らせない」のではなく、大きな缶が冷蔵庫で待機していれば、つい開けやすくなるものです。
気合より、買い方と環境を変えるほうが続きやすいですよ😊
糖尿病治療中の方は、飲酒によって低血糖などが起こる場合もあります。飲酒の可否や量は、医師や薬剤師へ確認してください。
👉 参考:厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
Q8. 夜にカップラーメンが食べたくなったら?

A. 禁止するより、空腹の理由と食べる量を確認しましょう
夜にカップラーメンが食べたくなったとき、まず確認したいのは「意思の強さ」ではありません。
夕食が少なすぎなかったか、夕食から長時間たっていないかです。
昼食や夕食を極端に減らしていれば、夜に空腹になるのは体として自然な反応です。
食べる場合は、次のような工夫があります。
- 小さいサイズの商品を選ぶ
- 卵、豆腐、サラダチキンなどを組み合わせる
- カット野菜などを添える
- スープをすべて飲まない
- 栄養成分表示のエネルギーや食塩相当量を確認する
野菜を足せばカップラーメンが突然「健康食品」へ昇格するわけではありませんが、食事の偏りを小さくする工夫にはなります😂
夜食が何度も続く場合は、カップラーメンだけを悪者にせず、朝食・昼食・夕食の量や睡眠時間まで振り返ってみましょう。
血糖値が気になるときの食事の整え方

血糖値を指摘されたからといって、ご飯やパンを完全に抜く必要があるとは限りません。
極端な糖質制限を自己流で行うと、食事の満足感が下がったり、脂質の多い食品へ偏ったり、必要な栄養を確保しにくくなったりすることがあります。
まずは、次の3つを組み合わせる食事を意識しましょう🍚
- 主食:ご飯、パン、麺など
- 主菜:肉、魚、卵、大豆製品など
- 副菜:野菜、きのこ、海藻など
さらに、次のような見直しも役立ちます。
- 甘い飲み物を飲む回数を減らす
- 大盛りやおかわりが習慣になっていないか確認する
- 夕食後のお菓子や夜食を見直す
- 食事を抜いて次の食事で食べすぎる流れを避ける
- 早食いになっている場合は少し速度を落とす
「糖質を食べたら失敗」ではありません。
何を禁止するかより、いつもの食生活の中で摂取量が増えている場所を探すことが大切です。
今日から始めるなら、この中から一つでOK

健診結果を見た直後は、食事も運動も睡眠も、すべて変えなければいけない気がするかもしれません(-_-;)
しかし、最初から生活を大改造すると、数日後には疲れてしまうことがあります💦
まずは、次の中から一つ選んでみましょう。
- 結果票に受診の指示がないか確認する
- 受診の予約を入れる
- 甘い飲み物を1本減らす
- 夕食後に少し歩く
- 丼や麺へ卵・豆腐・野菜などを加える
- 飲酒量を記録する
- 夜食が必要になる日の夕食内容を振り返る
健診結果は、叱られるための通知表ではありません。
体から届いた「そろそろ一度、確認しておきませんか?」という付箋のようなものです。
付箋をはがして捨てる前に、書かれている内容を一度確認してあげましょう😊
よくある質問(FAQ)

Q. 健診で血糖値が高めなら糖尿病ですか?
1回の健診結果だけで糖尿病と診断されるとは限りません。測定時の食事や体調なども確認し、必要に応じて再検査や詳しい検査を受けます。結果票で受診を勧められた場合は医療機関へ相談してください。
Q. HbA1cと血糖値はどちらが重要ですか?
どちらも血糖状態を確認するために利用されますが、示す内容が異なります。一方だけで自己判断せず、両方の値や健康状態を含めて医師に評価してもらいましょう。
Q. 血糖値を下げる食品はありますか?
特定の食品を食べるだけで血糖値が正常になるとは限りません。食事全体の量と内容、身体活動、体重、睡眠、飲酒などを総合的に見直すことが大切です。
Q. ご飯を完全に抜いたほうがいいですか?
自己判断で主食を完全に抜く必要があるとは限りません。適切な量は健康状態や治療内容によって異なります。糖尿病治療中の方は、薬とのバランスもあるため医師や管理栄養士へ相談してください。
Q. 食後はすぐに運動したほうがいいですか?
体調に問題がなければ、食後の軽い歩行などを取り入れられる場合があります。ただし、激しい運動が適しているとは限りません。治療中の方や合併症がある方は、運動の種類やタイミングを医師へ確認しましょう。
Q. 家庭用の血糖測定器を買うべきですか?
すべての方に自己測定が必要とは限りません。測定する目的や結果の判断方法も重要です。健診結果が気になる場合は、先に医療機関で必要な検査について相談しましょう。
まとめ|健診結果を放置せず、できることから整えよう

健診で血糖値やHbA1cが高めと言われても、1回の結果だけで糖尿病と決まるわけではありません。
一方で、自覚症状がないからといって放置してよいとも限りません。
まずは、次のことを確認しましょう。
- 検査項目と数値を確認する
- 「要受診」「要精密検査」などの指示に従う
- 過去の結果やお薬手帳を受診時に持参する
- 甘い飲み物、飲酒、夜食などの習慣を振り返る
- 食事を極端に減らさず、身体活動を少しずつ増やす
大切なのは、健診の翌日から完璧な生活を始めることではありません。
必要な検査を受けたうえで、毎日の中に続けられる変化を一つ作ることです🌿
「今日は結果票をもう一度見る」でも、立派な一歩です。
引き出しへ戻す前に、まず判定欄を確認してみてくださいね😊
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※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を行うものではありません。血糖値やHbA1cの評価、必要な検査、食事・運動療法の内容は、年齢、健康状態、服用している薬などによって異なります。健診結果で受診・再検査を勧められた方、強い口渇、多尿、原因不明の体重減少、強い倦怠感などがある方は、自己判断で様子を見ず医療機関へご相談ください。糖尿病治療中の方は、低血糖を起こす可能性があるため、食事量・飲酒量・運動量を大きく変更する前に医師・薬剤師・管理栄養士などへご相談ください。

